■ホフノーグ王国
本作の舞台となる国の名称。
5つの島からなる世襲君主制の小国。
クライノートと呼ばれる石に宿る魔法と固有の能力をもった人々が生活のありとあらゆる事象を特別なクライノートに登録された力によって賄っている生きた魔法の国。
周囲を大国に囲まれているが、魔法を有した国であることが起因しているのか過去一度たりとも侵略を許したことはない。
近年では魔法依存を脱却するための研究が活発化しており一部魔法由来でない設備も出来つつある。
数年前に起きたとある出来事によってゲシュペンスト、と呼ばれる異形の存在が国中を闊歩するようになり、人々は中央島・ハイリヒトゥームの泉から供給されている水が満たされている水路の中でしか生活できなくなった。
彼らに対抗するために創設された国公認の防衛組織・プロタクトによって現在国民の生活は守られている。
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■クライノート
ホフノーグ王国民はこの世に生をうけるとまずクライノートという魔法の力が込められた石を受け取る。
クライノートは始めカコーシャという職人が中央島にある神殿から年に二度、元となる石の柱を採掘し持ち帰った後、手のひらに収まる程度の丸い水晶玉のような形へと加工を施し子供を授かる予定の夫婦へ渡す。
受け取った夫婦はクライノートを特殊な性質をもつ木箱に入れ子供へと渡し、以後肌身離さず生涯持つものとして教える。
尚、この木箱に使われている樹木には魔法の質の変化に同調して木箱から杖へ形状を変える性質をもっているため成長と共にクライノートが埋め込まれたまま杖となり以後、魔法が使用しやすくなる。
受け取ったクライノートは約1年間の間はカコーシャから受け取ったときと同じ形のままでこの段階のクライノートはヴェールトロースと呼ばれる。
尚、ヴェールトロースとは古の言葉で役立たずという意味を持つ。
ヴェールトロース状態のクライノートは他人に見せても魔法の属性や能力の発生がまだ確認されていない段階なため身体との共鳴率は低く何があっても特に危険はない。
しかし徐々に属性と能力の発現によって色と姿を変えるとクライノートと所有者は完全な共鳴状態となるため成長と共に取り扱いには注意が必要になり破損したり一部が欠けたり、何らかの形で石そのものが消失してしまった場合、所持者自身の肉体も欠損、もしくは消失してしまう。
このため杖となったクライノートは肌身離さず携帯することが義務付けられている。中身は生涯取り出されることはない。
クライノートには二つの側面がありそのうちの一つは属性である。
この世に生を受けて約1年後に大気、自然、生命、豊穣、大地のどれかが判明し決定した時点でクライノートは色を変える。
尚、この変化は全てのクライノートに訪れる。
色が変化したかどうかの判断は杖に形状を変化させた樹木の一部が割れるためその隙間から確認することが可能になる。
尚、属性は遺伝ではない。
もう一つの側面は固有の能力。発生の時期が人によってさまざまであり、生まれた直後にわかる者もいれば、生涯分からないままの者もいる。
平均として2歳~5歳の間でふとした拍子に能力を使い、それに伴いクライノートもその形状を変える。
能力発生以降の形状は人によって様々であり、世界に一つとして同じ物は存在しない。
秘めたる能力も人によって異なり、似て非なる様々な力が今日でも発見されている。
尚、能力には3つの階級があり、階級によっては望む職に就けない事もあり現在問題視されている。
ホフノーグ国民の魔力の根源とされており、この国の象徴とも呼べる存在。
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■属性区分
クライノートには属性があり大きくは大気、自然、生命、豊穣、大地の5つに分類されている。
さらに個々で主属性と副属性に細分化されており属性魔法を使用する際は主属性となっている方が発動しやすく精度も高い。
稀に一般的には主属性、副属性として定められているものが反転する事例もあるが頻度に関しては少なくはない。
ただし大地に関してのみ反転は非常に稀で主属性を石にもつ者は非常に少ない。
属性区分は以下。
大気=主属性:風、副属性:雷
豊穣=主属性:木、副属性:花
大地=主属性:土、副属性:石
自然=主属性:水、副属性:氷
生命=主属性:火、副属性:光
属性は能力とは違い生まれて1年以内には誰でも必ず判明するため能力発現がなくとも属性魔法を極めて仕事に役立てるヴェールトロースは一定数いる。
属性魔法の優劣は以下。
大気→自然→生命→豊穣→大地
尚、本人がもつ属性魔法以外の属性は決して使用することはできない。
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■3つの階級
クライノートはそれぞれに固有の能力を発現させる側面があり、生み出された能力には影響力に応じて3つの階級に分けられる。
能力は本人の意志で決定できるものではないため大きな力を望んでも手に入ることは決してない。能力が目覚めないまま生涯を終える者もおりそういった者はヴェールトロースと呼ばれる。
・エーデルシュタイン
一番階級の高いクライノート。
人体に直接影響を与えたり、国を動かすほどの大きな力はここに分類され厳密な監視下の元、使用に大きく制限がかけられる。
また死後もその能力が国に必要と判断された場合は国の機関fischEとの契約により、能力のみが保存され、半永久的に使用できるようになる。
選ばれたものは自身の世代から末期まで様々な面でfischEからの支援が約束されるため、選ばれるのは大変名誉な事である。
・ユヴェーレン
中級のクライノート。
日常生活で活躍の場が多数あったり、戦闘時に活用する事の出来る力はここに分類される。
widdeR公認防衛組織、プロタクトに入る為の必須条件としてユヴェーレン以上の階級が求められ、本人が望めば年齢関係なく特殊な訓練後にプロタクトへの加入が可能となる。
・シュムック
低級のクライノート。
周囲に対してほとんど影響を及ぼす事のない能力が分類され、国民の多数がここに分類される。
一部の職業に就くことが禁止されており、差別問題が近年注目されている。
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■プロタクト
・widdeR公認防衛組織 プロタクト
ゲシュペンストに対抗するために国が発足した国民のための防衛組織である。
主に国民の防衛に関わることは全て請け負い、己が配備された街や村で職務に従事する。
入隊するための条件は3つ。
・インピリアにある施設で特別な訓練を数年受け入隊試験に合格すること。
・実戦経験を積んだうえでプロタクトから勧誘されること。
・クライノートの階級がユヴェーレン以上であること。
このうちクライノートの階級がユヴェーレン以上であることは必須条件である。
上二つの条件に関してはどちらかを満たしていれば入隊許可を出す。
例外として、外国出身の者は支部長による推薦書を本部長に提出し、さらに国の責任者の了承が得られた場合は入隊を許可する。
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■ゲシュペンスト
数年前より発生した異形の者達を総称してゲシュペンストと呼ぶ。
見た目の違いや脅威性の個体差こそあるが共通している点は気性が荒く狂暴で人間に対して容赦なく襲い掛かかる非常に獰猛な性質をもっているということと、中央島・ハイリヒトゥームの泉にある特別な水を嫌うこと。
訓練を積んだ兵士が束になっても討伐することが難しい個体も存在するため彼らに対抗するべく国の防衛を司る機関・widdeRにより発足された特別な訓練を積み戦闘能力の高いメンバーで構成された公認防衛組織プロタクトにより日々安全が守られている。
尚、数を減らしすぎるとどこからか不足分を補うために新たなゲシュペンストが生まれてしまうため根絶に向けての討伐は慎重に進められている。
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